箱との葛藤。
世の中には存在意義のよくわからないものがある。
ティッシュケースなんかはその最たるものだと思っていた。
箱ティッシュは、産まれながら?にして箱に入っているのになぜ更に箱に入れる必要があるのか、という話である。
ティッシュを保持するという用途は完遂しているし、終わったらすぐ捨てる必要
があるものをなぜわざわざ箱に入れる必要があるのか。
このほど、引っ越してインテリアの傾向を統一したりしてその疑問が氷解した。
金属と木材だらけの家具の中に、パステルカラーや花柄のポップな紙の箱〈しかもちょっとつぶれている〉などがあると凄まじい違和感がある。
なるほど、部屋がむちゃくちゃポップな場合や、部屋がありえない散らかっている場合などは、エリエールの紙箱なんかはそのカラーリングに埋もれて大して気にならないのだが、モノトーンや単色でまとまった場所だとやけに目立つのである。
なるほど、全裸で生活していた人間が突如恥ずかしがって〈ホントにそうだったかはしらんが〉服を着るようになった気持ちがティッシュ箱のおかげで理解できた気がする。
そんなこともあり、生涯自分で購入することはないと思っていたティッシュ箱を購入しようと決めた。
さて、毎度おなじみAmazon。
おお、斜めっていてオシャレじゃないか。なんとなく取り出しやすそう。
だが2300円、2300円か…。
確か近所のスーパーでジャックダニエルのボトルが一本買えるな。
たかだかティッシュを一時的に収納しておく箱ごときにテネシーウィスキー一本分の価値があるとでもいうのか。
だが、ウィスキーは飲んだら終わりだ。一方、ティッシュ箱は常時部屋に出しておいてまずまず使用するのだ。
いわばインテリアの一部であり、厳選して選んだ家具類と同じレベルの価格帯のものを選んで然るべきである。
…まて、然るべきか?
ほんとうにそうか?
さすがにティッシュ箱にチャイナ製のベンチやテーブルラックと同じレベルで二万三万かけるのはいかがなものかと思われる。
もう一つ検討しよう。
初見の印象は「痛そう」。
ネーミングセンスのベクトルってのも、「どうよ、オレのセンス、明後日の方向に突き進むぜ」
的な、なんだろう、ドヤ感?
がとてもあってそういう意味でもちょっと痛い。
いや、案外モノトーンの部屋のアクセントにいいのかもしれないし、ちょっと尖った〈笑〉パーツが一個くらいあった方がまとまりがいいのかも。
。。。
。。。。
。。。。。
落ち着け、これはない。
ちなみにこっちは、モノ単体としてはちょっと可愛いかな、と思ったけど、先端からティッシュが出てる間抜けさでやっぱりない。
次はこれ。
ティッシュを縦に丸めて取り出すらしい。
デスよねー。
…結局、職場近くのイオン三階に入っているセリアで、百円の白木のティッシュケースで落ち着くことになった。
取りまとめると、見た目はシンプル、素材感はあった方がいい。
柄はいらない。
使い勝手は普通で良い〈収納に一手間あるとか論外〉
ティッシュ箱ごときにそんなに出せるか。
ということになりました。
しろいほうがそのまま、手前の薄汚れて?いる方が靴墨と革オイルとウィスキーて着色したやつ。
わりと満足。いい買い物した。
でも、ベクトルはまだちょっと欲しい。