炎上するプライドと崩壊するブランド。
https://sirabee.com/2018/10/16/20161838180/amp/
港区の南青山に児童相談所が建つ話が持ち上がっているらしい。
これがわざわざニュースにされた理由は、おそらく話し合いに参加して猛反対している、地元の人たちの言い回しのエグさが原因に見える。
曰く、
「港区の価値が落ちる」
「田町とか広いところいっぱいあるじゃないですか」
「ランチ単価が1600円のところに生活保護の人たちを住ませるな。もっとふさわしい場所があるだろう」
いーいかんじに、炎上ハイエナが喜んで食いつきそうなキーワードが散りばめられてます。
そこだけ捕まえると無関係の人でもカチンと来そうな内容ではある。
ただ、よーく考えて見ると、内容として間違ったことを言ってはいないとも思うんですよね。
おそらく、発言した人たちの前後の文脈聞くとまた変わるんじゃないかな。
〈良いソースが見つかったら追加します〉
ブランドイメージって、企業戦略として、また日本や東京の中での都市計画を考えた上でも、とても大事なものです。
観光地としての京都や奈良は言うに及ばず、東京大阪名古屋をはじめとした経済圏のイメージやそこへの人の集約は、多かれ少なかれそういうブランドイメージに支えられているところがある。
青山とか表参道とか、あの辺ごくたまーに遊びに行くけれど、お店も区画の作り方にしてもホント厳選に厳選を突き詰めている。
地元のお店の人の話を聞くと、10年前くらいまではコンビニもほとんどなかったくらい、出店に気を使っていたそうな。
あの区画は目的がハッキリした地域で、対内的にも対外的にもブランド価値を高め、地価をあげて、そこに出店しているブランドの価値も底上げし、消費をどんどん促進する効果を期待されている土地なわけですな。
港区の中に児童相談所を設けることは社会的には勿論歓迎されるべきことなのですが、消費目的、デザイン優先のまちづくりがされている場所に、わざわざお役所の建物を突っ込む意味はなんなのか。
今回の話、いわゆる「必要な施設だけどウチの近所に作らないでね」、という、NIMBY問題の一端として騒がれている。
NIMBY問題〈Not In My Back Yard〉、ゴミ処理場、汚水処理場、果ては核エネルギー施設なんかがその対象になっていて、今度は児童相談所がその対象かい、と暗澹たる気分になるのもまぁわかる。
加えて「価値が下がる」「田町でいいじゃん」とか言われたらオイオイと思うのも分からなくはない。
でも、今回の大元の問題って、いち施設に百億円も税金突っ込まなければならないような建物を、地元の価値を上げようとしてる人たちの反対を押し切ってまで建てる意味は?
という、行政側の都市計画のセンスのなさの方に残念感を感じてしまうところです。
それに対する返答が「全ての機能を収容できる場所がここにしかなかった」って。
日本国内はおろか、世界全体から見てもかなりお高めな土地を捕まえて「ここにしか確保できなかった」ってのも、言い訳としちゃかなりお粗末じゃないのか。
現地の人たちの言葉尻を捕まえて心の狭さを罵るのもいいけど、児童相談所も含めて、最適、かつ安価で一番効果が高そうな場所はどこかってのを、区の行政にも少し考えてもらった方がいいんじゃないかなー、とおもいました〈小並感〉。